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私は「抽象」と「具象」という相反する要素をキャンバスという一つの画面の中に同居させることで、その境界について考えを巡らせたいと考えている。私の制作には様々な意味でのベクトルの異なる「抽象」と「具象」がいくつも存在しており、それらが複雑に絡み合うことで両者の境界が曖昧になり、私の作品となっている。
そして、それと同時に、「事実」と「虚構」、「瞬間」と「永遠」、「平面」と「立体」、「オリジナル」と「コピー」、「自然」と「人工」などといった二項対立も内包している。
私は、「抽象」と「具象」をはじめとする様々な二項対立を、制作を通して往来する。私が表現したいのは、そのどちらでもあり、どちらでもない。二項対立は簡単に言葉で表すことができるが、その境界の部分にこそ言葉では表現しきれない魅力があり、だからこそ絵画にする必然性があるのではないか。
木原幸志郎
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