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  • 執筆者の写真: 幸志郎 木原
    幸志郎 木原
  • 5月12日
  • 読了時間: 2分

木原幸志郎 個展「はじまりの寓話」〈ARTDYNE・東京〉 2025/5/10-6/1


このたびARTDYNEでは2025年5月10日(土)から6月1日(日)の期間、木原幸志郎による3回目の個展「はじまりの寓話」を開催いたします。本展では、木原が一貫して取り組んできた「風景」と「記憶」、「素材」と「知覚」の交差点を探る最新作を発表いたします。

木原幸志郎の絵画は、具象と抽象、物質と感情の境界を静かに揺さぶる独自の表現によって、多くの観客の共感を集めてきました。彼の作品に登場するモチーフは、一見すると有機的なオブジェのようでありながら、実際には粘土や絵具といった絵画を構成する“素材そのもの”を起点にしています。しかし、木原の手によってそれらは、光と影、重力や空気の存在を伴い、あたかも自然の摂理に従って形成された“風景”へと変容していきます。

「はじまりの寓話」と題された今展は、名前を持たない「最初の風景」への探究の過程で生まれた作品群で構成されます。絵画とは、記憶の奥底に沈んだ感覚やかすかな既視感を静かに浮かび上がらせる装置である──木原の作品は、そんな絵画本来の力を改めて私たちに思い出させてくれます。

ぜひこの機会に木原幸志郎が描き出す、世界の“はじまり”とも言える絵画空間をご高覧ください。

 

【アーティスト・ステートメント】

モチーフになっているのは、粘土や絵具そのものです。しかし、木々に陽が差し、影が生まれ、風景になるのと同じように、私が描くモチーフも自然の摂理に則った、いわば風景であり、そこには光や重力、空気が存在しています。

私は、その粘土と絵具で作られた風景を四角く切り取ります。そうしてできた絵は、不意に記憶と結び付き、見慣れた何かを想起させます。そして同時に、自分の知っている何かが、まるで本当の姿へと還ったかのようにも見えます。

私は、そんな、まだ名前がつく前の、色と形だったころの最初の風景を描きたいのだと思います。

木原幸志郎

 
 

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